畳の敷き方は江戸時代ごろから「祝儀敷き」と「不祝儀敷き」とに分けられ、「祝儀敷き」は吉の敷き方とされてきました。
昔は、畳はとても大切なものでしたので、普段は重ねて置いておき、祝儀や不祝儀があると部屋に畳を敷き、そのときの状況に合わせて敷き方をかえていたそうです。
●「祝儀敷き」って?
一般的な畳の敷き方です。
祝い事があったときにはこの敷き方をしました。四枚の畳の角が一か所に集まらないように敷きます。
●「不祝儀敷き」って?
葬儀など縁起の悪いときの敷き方です。畳の角が十字になるように同じ方向に畳を並べる敷き方です。
現在ではお寺や和室の大広間で使用されています。
もし、何もご存じないまま「不祝儀敷き」とされる敷き方をしていても、気にしないで下さいね。あくまでも昔の良い伝えからきていることですから。
現在の畳では、昔のように婚礼や葬儀のときに畳をしきかえるのは難しいです。それは、一枚一枚寸法が異なりますので(スキ間ができないようにするため)、部屋の中の決まった場所、決まった向きにしか敷くことができないからです。
「祝儀敷き」、「不祝儀敷き」以外にも、畳には敷き方のルールがあります。
1.床の間のすぐ前の畳は、床の間と平行に敷くこと!
床の間の前は上座になります。その上座に畳の縁があると、お客様が畳の縁にすわってしまう事になります。
また、お客様が床の間に飾った花や陶器や掛け軸を鑑賞した後、畳の目が合っていないため、膝をすって後ずさりしにくいこともあります。
そのため、畳は床の間と平行にしかないといけません。
2.部屋の入り口の畳は出入り口と平行に敷こと!
このように敷くと、畳の目の方向と足を運ぶ方向が同じになりますので、足の運びもスムーズにいき、ゴザをすらないので長持ちします。
祝儀と不祝儀によって畳を敷きなおすなんて、日本人の感性は繊細で豊かですよね。